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拡大追加利上げを発表した中国人民銀行=北京市、吉岡桂子写す
 世界経済を牽引する新興国経済に危険信号が灯る。インフレ懸念だ。

 アメリカのQE2をはじめ、先進国の量的緩和策が新興国のインフレ懸念を増幅する。そうしたなか先週、中国で短期市場金利が急上昇し、25日に0.25%の利上げが行われた。インフレと金融引締め本格化の兆しとする向きもあるが、どうか。

 まず短期市場金利の上昇だ。先々週末の12月17日と先週末24日で上海銀行間取引市場金利を対比すると、翌日物は2.00%から4.26%、1週間物は3.70%から4.93%、2週間物は3.88%から5.61%、1か月物は4.30%から5.74%だ。上昇幅は2%前後に及ぶ。2週間物と1か月物の金利水準は2007年10月以来3年振りの高さだ。それはインフレを受けた動きか。

 12月10日に中国人民銀行が発表した11月のマネーサプライはM2ベースで前年同月比19.5%増加し、前月の19.3%から増勢が若干加速した。次いで11日発表の11月消費者物価は10月同4.4%から同5.1%に加速し、政府が上限目標とする3%を一段と大きく上回った。中国政府は、12月10~12日に開催した中央経済工作会議で物価安定を重視する姿勢を明示し、金融政策を適度な緩和から穏健に変更する方針を確認した。

 しかし改めてみると、 ・・・ログインして読む
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筆者

藤井英彦

藤井英彦(ふじい・ひでひこ) 株式会社日本総合研究所 調査部長/チーフエコノミスト

【退任】(株)日本総合研究所 理事/チーフエコノミスト。83年東京大学法学部卒業。同年住友銀行入行。90年より(株)日本総合研究所、11年から現職。共著に「オバマのアメリカ 次なる世界経済の行方」(東洋経済新報社)、「2006 図解 日本総研大予測」(徳間書店)、「図解 金融を読む辞典」(東洋経済新報社)。

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