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 金相場の高騰が映し出しているものは、

(1)基軸通貨(準備通貨)としての米ドルの優位の陰り

(2)世界経済危機からの回復がなお途上にあるなかで超低金利政策・為替安競争による輸出振興策の結果としての金の復位

(3)投資先を求める余剰マネーに対して生産的投資への誘導力の欠如がもたらす投機的な金ブーム

(4)国債への資金移動は「質への逃避」と呼ばれてきたが、世界同時不況対策などでソブリンリスクが高まった結果、国債がだんだんと安全資産とみなされなくなってきたという金融資産市場の変化、

 ではないか。

 今後、世界景気がなだらかに回復してゆけば、(2)と(3)の側面は縮小すると考えられる。それが財政危機の歯止めとなれば、(4)の側面も緩和されよう。(1)の要素は潜在的トレンドとして通奏低音のように長く尾を引いてゆくと考えられる。だが、当面は米国景気が持ち直せばドル人気も回復し、一息つくことになろう。

 けれども、世界経済がユーロ圏の協調の失敗(ドイツの経済ナショナリズムで仏独が深刻な対立状態に突入するといった展開)や米国の景気失速などを機に、不幸にも二番底に陥るようなことになれば、(1)~(4)の事態も悪循環に陥ってしまう。

 その最悪の結末は、

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筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

上智大学教授。群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。富山、奈良、大阪、ニューヨーク、静岡、東京で記者をしてきた。近年は日本の経済政策や世界金融危機など取材。2009年5月から東京本社論説委員室勤務、11年4月からは編集委員も務め、14年4月から現職。著書に「財政構造改革」「消費税をどうするか」(いずれも岩波新書)、「デフレ論争のABC」(岩波ブックレット)。

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