浜矩子
2011年01月11日
金に人気が集まる日々だ。その現状をみていて、イスカリオテのユダという人物のことを思い出した。新約聖書に登場する裏切り男である。
彼は、イエス・キリストの弟子でありながら、キリストの命を彼の敵対者たちに売り渡す。その際、ユダはこの裏切り行為の代償として銀30枚を受け取った。
ここで、ユダが現代の人であったと仮定しよう。もしもそうなら、グローバル時代に生きるユダは、この世紀の大卑劣行動の代償を、どのような形で受け取りたいと考えるだろう。
やっぱり銀30枚がいい。そう答える可能性はある。だが、恐らく彼そうは言わないだろう。利に聡いユダのことだ。今時、銀は流行らないと察知して、別の支払い手段を選択するに違いない。
そこで彼は何を選ぶか。選ぶ可能性が相当に高い支払手段と、選ばない可能性濃厚な支払い手段が考えられる。前者が金で、後者がドルである。なぜそうなのかと聞かれれば、彼は以下のように答えるに違いない。
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