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 年配者はどうでもよいというのでは毛頭ない。

 日本社会の未来を担う若い世代や、不当に厳しい状況に置かれている例が少なくない非正社員の人たちの賃金や処遇を多少なりとも改善することを優先すべきではないか、という趣旨である。それなしには脱デフレに必要な消費の回復は展望できないし、日本の再生もまた、おぼつかないと考えるからである。

 若者と非正規社員の人々の消費性向の高さを考えても、賃上げの比重をそれらの人々に重くすることが脱デフレ・消費回復に役立つといえる。

 賃上げなどできないほど厳しい経営環境に置かれている企業もある現実を考えよ、という反論も経営者などからあるかもしれない。企業が利益を上げてこそ雇用が確保できるのであって、賃上げするくらいならその原資を雇用増に回せ、という反論もあるだろう。当然ながら、なにも全企業が一律に賃上げすべきだなどというつもりはない。一斉に大幅賃上げなどしたら、企業の投資余力を枯渇させたり、赤字に陥ってしまうことも抽象的には考えられる。

 また、そんなことを誰かが強制できるとか圧力がを加えて実現に向かうということは考えられない。ここでは、非現実的なことを注文するつもりもない。ただ、 ・・・ログインして読む
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筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

上智大学教授。群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。富山、奈良、大阪、ニューヨーク、静岡、東京で記者をしてきた。近年は日本の経済政策や世界金融危機など取材。2009年5月から東京本社論説委員室勤務、11年4月からは編集委員も務め、14年4月から現職。著書に「財政構造改革」「消費税をどうするか」(いずれも岩波新書)、「デフレ論争のABC」(岩波ブックレット)。

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