小此木潔(おこのぎ・きよし) ジャーナリスト、元上智大学教授
群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。経済部員、ニューヨーク支局員などを経て、論説委員、編集委員を務めた。2014~22年3月、上智大学教授(政策ジャーナリズム論)。著書に『財政構造改革』『消費税をどうするか』(いずれも岩波新書)、『デフレ論争のABC』(岩波ブックレット)など。監訳書に『危機と決断―バーナンキ回顧録』(角川書店)。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
小此木潔
こんなことを恥じらいもなく書く資格は毛頭無いが、それでも若いみなさんのお役に少しでも立てるかも知れないという一縷の望みを捨てきれず、書いてみることにした。
私自身は朝日新聞の入社試験で何回か面接や筆記試験の採点などを担当したことがある程度だが、それらをもとになにがしか参考になりうることを言えるような気もする。そして、あまりにも古い話で恐縮ではあるが、私が朝日新聞に入ったときの面接を振り返ってみても、そこには多少なりとも共通する教訓が埋まっているような気もしてくるから、不思議なものだ。
その共通する教訓とは、面接で「この人は、何か持っているのではないか」と面接官に思わせることができるかどうかが成否の鍵となる、ということだ。少なくとも私が面接を担当したとき、それを重要な要素と考えた、ということである。
その人が何か持っている、といっても斎藤佑樹投手のように「仲間」というような具体的なものではない。特定の業種では、その「仲間」が威力を発揮したり、そう答えることが大きな点数をかせぐことになるのかもしれないが、それはやはり例外的なケースだろう。
私がここで言いたい「何か」とは、具体的な物事や特徴と言うより、「何か持っている」と思わせる「何か」である。なんだかわかりにくい言い回しになってしまうが、
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