安井孝之
2011年02月12日
今春卒業見込みの大学生の就職内定率は過去最低の68・8%(昨年12月1日時点)を記録した。今後も状況に大きな変化がなければ昨年の8万7000人を上回る大学生が職に就けない恐れがある。
同世代の半数が大学に入学する時代となって大卒者の就職難は社会の「幸せ度数」に直結するようになった。幸せな人生を送りたいと、多くの学生や親世代が大手商社や金融機関など就職人気企業への就職を望むが、その希望は果たせない。就職人気企業に入ることが本当に幸せなのかをもう一度見つめ直すことも、就職氷河期を生き抜くには必要だ。
昨年3月に千葉商科大学商経学部を卒業した二タ見英行さんは千葉県船橋市の工場で働いている。工場はキャップ製造の「ヒロハマ」千葉工場。二タ見さんは製造課製造係としてキャップ製造の現場に作業服姿で立つ。
大学3年の時に2週間、ヒロハマにインターンシップに来た。120人が働く中小企業だ。製造するキャップは塗料などを入れる一斗缶(約18リットル缶)のキャップで、真ん中を押すとパチッと音を立てて、締まったり、緩んだりするものである。国内では3社が造り、ヒロハマは6割のシェアを持つトップ企業。
「2週間のインターンシップの間に、キャップの技術の奥深さに興味を持ちました。またお世話になった社員の方の雰囲気が家族的で、こんなところで働きたい、と思ったんです」。二タ見さんは満足そうだった。
ラインでは自分で少しずつ工夫して、
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