常見陽平
2011年02月26日
「私は地方から出てきているので、生活費を稼がなくてはなりません。でも、就活が平日に入るので、アルバイトのシフトが組めない私のような学生がいるのです」
神奈川大学4年の本間篤さんは、2月22日(火)に参議院議員会館にて開催された「就活が抱える問題に関する院内集会」で、学生、政治家、識者、報道関係者など140名の参加者に向けてこう訴えかけた。新潟県から上京した彼はアルバイトをしなければ学生生活ができない。平日、週に3回は終日アルバイトをしていたが、突然入る面接などは彼を悩ませた。
就活の早期化・長期化による学業阻害が話題になるが、生きていくためのアルバイト阻害も実は大きな問題である。
東洋学園大学の4年生で商業施設運営会社に内定している男子学生は、これから就活をする3年生向けの就活応援パネルディスカッションで、就活において苦労した点についてこう語った。
「3年から4年になる前の春休みは就活シーズン。この時期、学校はありませんが、アルバイトのシフト調整が大変でした。夏までに就活を終わらせるシナリオを考え、なんとかやりきりましたが」
彼は高校1年生の頃から地元茨城県の焼肉屋でアルバイトをしていた。チェーン本部の方針に反抗しつつ、成果を出している「問題児」の店長の元で、揉まれて育った。苦労して学生生活を送ったことは選考の際には評価されたと言うが、就活とアルバイトの両立は大変だったという。アルバイトのシフトは1カ月前に出さなければならない。突然入る選考のために、調整に苦労することもしばしばだった。
仕事柄、日常的に学生と会っている。たしかに、アルバイトに汗を流し、学費や生活費を稼ぐ学生、苦労して学生生活を送っている学生とよく会う。プラントエンジニアリング企業に内定した一橋大学の男子学生は、
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