武田洋子
2011年03月02日
北アフリカ・中東情勢の緊迫が続く中、原油価格上昇の世界経済への影響が懸念され始めている。しかし、価格が上がっているのは、原油だけではない。2009年半ば以降、商品市場では、農産物、非鉄金属など幅広い品目で価格が上昇している。
価格上昇の背景としてまず挙げられるのは、新興国経済での需要拡大である。所得水準向上による食生活の変化もあろう。肉消費量の拡大は牛・豚の飼料となる穀物価格を、コーヒー愛飲者の広がりはコーヒー豆価格を上昇させる。中間層の消費拡大やインフラ需要の増大も素原材料価格の上昇圧力となる。
次に、供給制約がある。農産物価格の上昇は、ロシアの旱魃、オーストラリアの洪水など天候不順が拍車をかけた。そして足元では、中東情勢の緊迫化が原油の供給制約懸念を高めている。
さらに、これらの需給要因を材料に、価格の上昇幅を拡大させてきたのが、
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