【退任】週刊紙「アエラ」前編集長。1956年生まれ。78年朝日新聞社に入り、経済部記者、「アエラ」編集部員などを経て、2000年「アエラ」編集長。beエディター、出版本部長補佐などを経て、08年10月から「報道ステーション」コメンテーターを務めた。「アエラ」副編集長時代には、中吊り広告下の一行コピーを担当。2012年1月まで「WEBRONZA」編集長。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
一色清
これから大学がとるべき対応は、わかりきっています。考えられるのは、「携帯電話を持ち込ませない」「携帯電話を机の上に置かせる」「電波を遮断する装置を会場に設置する」「監督を強化する」などです。でも、カンニングしようと思う人間がいれば、機器の発達でこうした対応をすりぬけることは可能になるでしょう。大学側の対応とのいたちごっこです。
それでも国立大学やブランドの確立した大学は入試の公正性を追求するために、このいたちごっこに付き合うしかありません。存立基盤が「難しい入試をクリアした優秀な学生たちが通っている」という世間の評価にあるためです。
こうした大学にススメても現実味はないでしょうが、ほかにあまたある大学の中でどこか「携帯(スマートフォンも)持ち込み可」の入試をするところはないでしょうか。受験生は、携帯電話を使って答えを求めても構わないことにするのです。通話はさすがにうるさくて邪魔でしょうから、声を出さずに使うことを条件にします。
インターネット社会というのは、情報へのアクセスが簡単になる社会です。世の中の膨大な情報がネット上にあり、そこにアクセスすればある程度必要な情報が得られます。友人、知人とのコミュニケーションも簡単になり、プライベートな情報交換も活発になります。「知のアウトソーシング」という言葉がありますが、自分の脳に知識を詰め込むことより、必要な情報にアクセスする力の方が大事だというのは、(私は同意しませんが)ネット社会の一面の真実でしょう。つまり、
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