原田泰
2011年03月25日
民主党政権の危機対応が非難されている。周知を集めた体制をつくらないからうまくいかない。政治主導に拘るからうまくいかない。民間企業に責任を押し付けるのはいけないなどと論評されている。
◇原発事故対応の政治主導はやむを得ずではないか◇
しかし、他のことはともかく、原発の事故について、好きで政治主導になったとは思えない。そもそも原子力の安全管理について何も知らないだろうし、失敗すれば責任を取らされる。原発を進めてきたのは旧政権と電力会社なのだから、旧政権の意向を引き継いでいる官僚機構と電力会社に任せたいと思ったはずだ。
ところが、東京電力と、原子力発電の安全を規制する原子力安全・保安院の記者会見を見て、この人たちに任せておいて大丈夫かと思ったのだろう。何の分析も対処方針を示すでもなく、分からない、情報を得ていないと繰り返すばかりだった。官僚にしろ民間人にしろ、当事者が、我々はこうします、政府はこうして下さいと言えば、政治家はその進言に従ったのではないだろうか。というか、従うしかなかったのではないだろうか。
説明能力のない当事者に代わって政治家が説明しても同じかもしれないが、伝言ゲームの間の人を減らすという効果は、最低限あっただろう。もちろん、間の人を減らしても、うまくいく訳ではない。しかし、では、どうすれば良いのだろうか。
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