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 就活ほど便利な悪者はいない。メディアは今日も就職難を伝え、就活の早期化・長期化による学業の阻害などを指摘し「けしからん」という報道をする。

 ちょっと待ってほしい。就活の早期化・長期化については、私も問題意識を持っているが、では就活の時期が遅くなったら学生は勉強するのだろうか?ある人材コンサルタントが早稲田と慶應の学生それぞれ100人ずつにヒアリングを行なったところ、就活の選考時期が今よりも遅くなったとしたら、「今よりも勉強する」と答えた学生はほぼゼロだったという。

 専門商社に内定した成蹊大学の女子学生によると、大学の単位は卒論などを除くと大学3年の夏学期に取得してしまったそうだ。その後は就活しかすることがなかったという。その後は約10ヶ月、就活に没頭し、2社から内定が出た。

 もちろん、東京大学などのように、そもそも取得する単位数が多く、大学4年になっても勉強し続けなくてはならない大学もある。信託銀行に内定し、他にも4社から内定が出た経済学部の学生はこう言う。「単なる後ろ倒しでは、学生は救われない。実は春休みがある3月に本選考スタートにしてもらった方が学業は阻害しないのでは?」

 留学についてもそうだ。大学の教職員からは、「就活が早期化・長期化したせいで留学ができなくなっている」「就活に不利になるのではと、留学について戸惑う学生が増えている」という声はたしかに聞く。

 ただ、本当にそうだろうか?  ・・・ログインして読む
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筆者

常見陽平

常見陽平(つねみ・ようへい) 評論家(雇用・労働、キャリア、若者論)

人材コンサルタント。株式会社クオリティ・オブ・ライフ フェロー。HR総合調査研究所客員研究員。実践女子大学・白百合女子大学・武蔵野美術大学非常勤講師。北海道札幌市出身。一橋大学卒業後、株式会社リクルート入社。とらばーゆ編集部、トヨタ自動車との合弁会社などを経て、玩具メーカーに移り新卒採用を担当。2009年株式会社クオリティ・オブ・ライフに参加。2012年に退社し、フェロー。就活、サラリーマンの今後をメインテーマに講演、執筆、研究・調査、コンサルティングなどに注力し、面白い社会人をデビューさせるべく奮闘中。著書に『「就社志向」の研究』、『普通に働け』など多数。最新刊に『アラフォー男子の憂鬱』(共著)

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