メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

 就活ほど便利な悪者はいない。メディアは今日も就職難を伝え、就活の早期化・長期化による学業の阻害などを指摘し「けしからん」という報道をする。

 ちょっと待ってほしい。就活の早期化・長期化については、私も問題意識を持っているが、では就活の時期が遅くなったら学生は勉強するのだろうか?ある人材コンサルタントが早稲田と慶應の学生それぞれ100人ずつにヒアリングを行なったところ、就活の選考時期が今よりも遅くなったとしたら、「今よりも勉強する」と答えた学生はほぼゼロだったという。

 専門商社に内定した成蹊大学の女子学生によると、大学の単位は卒論などを除くと大学3年の夏学期に取得してしまったそうだ。その後は就活しかすることがなかったという。その後は約10ヶ月、就活に没頭し、2社から内定が出た。

 もちろん、東京大学などのように、そもそも取得する単位数が多く、大学4年になっても勉強し続けなくてはならない大学もある。信託銀行に内定し、他にも4社から内定が出た経済学部の学生はこう言う。「単なる後ろ倒しでは、学生は救われない。実は春休みがある3月に本選考スタートにしてもらった方が学業は阻害しないのでは?」

 留学についてもそうだ。大学の教職員からは、「就活が早期化・長期化したせいで留学ができなくなっている」「就活に不利になるのではと、留学について戸惑う学生が増えている」という声はたしかに聞く。

 ただ、本当にそうだろうか? 

・・・ログインして読む
(残り:約1933文字/本文:約2539文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

常見陽平

常見陽平(つねみようへい) 千葉商科大学国際教養部准教授 いしかわUIターン応援団長  社会格闘家

一橋大学商学部卒業、同大学大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。リクルート、バンダイ、ベンチャー企業、フリーランス活動を経て2015年より千葉商科大学国際教養学部専任講師(2020年4月より准教授)。専攻は労働社会学。執筆・講演など幅広く活動中。『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社新書)、『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞社)、『「就活」と日本社会』(NHK出版) SNS  twitter yoheitsunemi  facebook yoheitsunemi

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

常見陽平の記事

もっと見る