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 まもなく、東日本大地震が東北地区を襲った日から一ヶ月経とうとしている。未曾有の地震、津波、原発放射能のトリプルパンチに見舞われていた日本に対して、世界が支援の手を差し出しながら固唾を呑んでその復旧・復興を見守っている。中国も毎日、トップニュースで報道し、その動きに莫大な関心を寄せつつ普段見られない日本を観察し、多くの角度から再評価している。

 まず、日本の民度の高さを再認識したようだ。中国のメディアでも数多くの震災直後の写真や映像は掲載されている。特に災難に直面する際の日本人の規律を保った行動に感嘆した。これだけ広域に被害をもたらした巨大災害でも他の国によく見られた混乱や犯罪などはあまり出ていないし、災害時の冷静さや他人への思いやりが現れたことに賞賛の声が上がった。

 中国のネットに一枚の写真が各サイトに転載され有名になった。それは東京都内某所で、止まっているエスカレーターに乗客が疲れ切って座って休憩している一枚である。中国人が注目しているのは通行客をスムーズに通すために皆が両端にきちんと座っているシーンだ。

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筆者

肖宇生

肖宇生(しょう・うせい) フロンティア・マネジメント株式会社事業開発部マネージング・ディレクター

【退任】フロンティア・マネジメント株式会社事業開発部マネージング・ディレクター。1996年大阪大学経済学部、2001年一橋大学大学院経済学研究科卒業(経済学修士)。精密機器メーカーで中国携帯市場向けマーケティングを担当後、国内シンクタンクで中国市場のコンサルティング、ファンド会社で中国市場のプライベート・エクイティ投資に従事。日本総合研究所創発戦略センター主任研究員を経て、2011年4月より現職。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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