原田泰
2011年04月14日
様々な問題が起きるたびに、政府がきちんと規制しなければならないという議論が盛んになる。しかし、今回の福島原発について考えてみれば、政府がきちんと規制することは可能なのだろうかと思わざるを得ない。
日本には、原子力委員会、原子力安全委員会、原子力安全・保安院と3つも規制機関があるが、どれも役には立たなかった。原子力委員会は予算2億円、原子力安全委員会は7億円、原子力安全・保安院は350億円程度の年間予算を持っている。予算を見ると、本当に規制しているとしたら、それは原子力安全・保安院で、それ以外の組織は飾りであることが示唆される。
実際、原子力安全委員会の委員長自ら、福島第一原子力発電所の建屋に溜まった高放射線量の汚染水処理について、「どのような形ですみやかに実施できるかについて、安全委ではそれだけの知識を持ち合わせていない。まずは事業者(東京電力)が解決策を示すとともに、原子力安全・保安院にしっかりと指導をしていただきたい」と述べたという。
本来は、安全を守るためにどうしたら良いかを首相に勧告する専門家集団のトップであるが、実はどうしたら良いか分からない人が原子力安全委員会の責任者だった。テレビで説明している、原子力安全・保安院のスポークスマンも、そもそも、
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