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原発とスティグラー教授の偉大さ

原田泰

原田泰 原田泰(早稲田大学教授)

 様々な問題が起きるたびに、政府がきちんと規制しなければならないという議論が盛んになる。しかし、今回の福島原発について考えてみれば、政府がきちんと規制することは可能なのだろうかと思わざるを得ない。

 日本には、原子力委員会、原子力安全委員会、原子力安全・保安院と3つも規制機関があるが、どれも役には立たなかった。原子力委員会は予算2億円、原子力安全委員会は7億円、原子力安全・保安院は350億円程度の年間予算を持っている。予算を見ると、本当に規制しているとしたら、それは原子力安全・保安院で、それ以外の組織は飾りであることが示唆される。

 実際、原子力安全委員会の委員長自ら、福島第一原子力発電所の建屋に溜まった高放射線量の汚染水処理について、「どのような形ですみやかに実施できるかについて、安全委ではそれだけの知識を持ち合わせていない。まずは事業者(東京電力)が解決策を示すとともに、原子力安全・保安院にしっかりと指導をしていただきたい」と述べたという。

 本来は、安全を守るためにどうしたら良いかを首相に勧告する専門家集団のトップであるが、実はどうしたら良いか分からない人が原子力安全委員会の責任者だった。テレビで説明している、原子力安全・保安院のスポークスマンも、そもそも、

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筆者

原田泰

原田泰(はらだ・ゆたか) 原田泰(早稲田大学教授)

 早稲田大学教授。1974年東京大学卒業後、同年経済企画庁入庁、経済企画庁国民生活調査課長、同海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長などを経て、2012年4月から現職。「日本はなぜ貧しい人が多いのか」「世界経済 同時危機」(共著)「日本国の原則」(石橋湛山賞受賞)「デフレはなぜ怖いのか」「長期不況の理論と実証』(浜田宏一氏他共著)など、著書多数。政府の研究会にも多数参加。

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