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痛みの先送りは限界、日本の判断に世界が注目

根本直子

根本直子 アジア開発銀行研究所・エコノミスト

 民主党が機能不全となっている理由の一つは、財源手当てが十分検討されずに、やりたい政策だけが打ち出されたことにある。

 日本大震災後の復興については、その轍を踏まないように、財源について党内および国会で十分な議論を行い、国民に明確な方針を示すことが重要だ。日本政府の財政赤字や債務額がすでに巨額なことを考えると国債増発にこれ以上頼ることは望ましくなく、増税による手当ては不可避と考える。

 震災の復旧、復興に必要な費用は、標準的な予想で30兆円といわれ、その多くは国の負担になる。原発事故の影響が広い地域に及んで補償範囲が拡大したり、経済の低迷から税収が減少した場合、国の潜在債務はさらに増えて、40兆円から50兆円に上るという試算もある。

 財源として、国債発行を増やせという意見があるが、慎重に対応すべきだ。日本の一般政府のネット債務額(債務から流動性のある資産を引いたもの)は2004年から2007年にかけて、GDPの80%位で安定していたが、その後急速に悪化した。仮に増税がない場合、 ・・・ログインして読む
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筆者

根本直子

根本直子(ねもと・なおこ) アジア開発銀行研究所・エコノミスト

早稲田大学法学部卒業、日本銀行入行、退社後シカゴ大学経営大学院で経営学修士(MBA)を取得しスタンダード&プアーズ入社。同社マネジングデイレクターとして、日本の金融機関格付けを統括。またアジア太平洋地域のリサーチヘッドとして経済、金融の調査を所轄。2016年4月からアジア開発銀行研究所、エコノミストとしてアジアの金融市場、金融政策等の調査、分析に従事。著書に「残る銀行、沈む銀行―金融危機後の構図」東洋経済新報社、「韓国モデルー金融再生の鍵」中公新書。金融審議会委員、財務省「国の債務管理の在り方に関する懇談会」メンバー、公認会計士審査会委員、証券業協会自主規制管理委員会委員を歴任。

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