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すべて流されてはいない/被災地に残るコミュニティ支援を(談)

湯浅誠

湯浅誠 湯浅誠(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長、反貧困ネットワーク事務局長)

◇復興への動き、プラン、本質的な変化は長期戦で◇

 歴史的な大災害に直面したからといって、社会の仕組みなどの大きな転換は、熱に浮かされたようにはできないだろうとは思います。この緊急段階が落ち着けば、やはり関心は薄れていくし、そのなかで、もともとあった構図が出てくるんですよね。それは震災前の。それは、無縁社会にしてもそうだし、孤独死にしてもそうだし。また、もうちょっと大きく、集中と選択で効率化を追求してみたいな話というのは事実、もう出始めています。そうやって元の図式にもどるわけです。

 たとえば、100年に一度しか使わないような物は無駄だっていうのが震災前の常識ですけど、必ずしも無駄に見えたものは無駄じゃなかったというのが、今回の教訓のひとつでしょう。そうしたもので救われた命もありました。しかし、なかなかその教訓はいかされません。社会のあちこちで溜めがなくなり、余裕をなくした社会を震災が直撃しましたが、やはり震災復興でお金がかかるんで、例えば公務員の人件費は今まで以上に削らないと、という話になっていきます。

 そうした、いつの間にか元の図式に戻る流れのなかで、今回の震災を機にいろいろなものをとらえ直したり、学び直したりしようということは、どうしても、長期的なことにならざるをえないでしょう。被災地の人たちには生活がありますから、そこを飛び越してはうまくいかない。毎日の生活、日々飯を食って、何か働いて収入を得て、ものを買ってというような中で何十年と続けられてきた生活を、なかったことのようにガラリと変えることはできません。そういうことを踏まえながらやるとなると、 ・・・ログインして読む
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筆者

湯浅誠

湯浅誠(ゆあさ・まこと) 湯浅誠(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長、反貧困ネットワーク事務局長)

NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長、反貧困ネットワーク事務局長他。現在は内閣官房震災ボランティア連携室室長も務める。90年代より野宿者(ホームレス)支援に携わる。「ネットカフェ難民」問題の火付け役となるほか、貧困者を食い物にする「貧困ビジネス」を告発するなど、現代日本の貧困問題を現場から訴え続ける。2008~09年年末年始の「年越し派遣村」村長。最近著は『岩盤を穿つ』(文芸春秋、2009年)。写真/中川賢俊

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