小森敦司
2011年05月10日
菅直人首相による浜岡原子力発電所の停止要請は、唐突感をもって迎えられている。だが、このことを、福島第一原発の事故を経た後の、日本のエネルギー政策を根本から議論するスタートラインにするべきだ、と筆者は考える。そのためには、電気をめぐる二つの神話を今こそ、ぬぐいさらないといけないと思う。
それは、「原発は絶対に安全だ」という神話と、「再生可能エネルギー(自然エネルギー)は高コストで質が悪い」という神話だ。前者は、福島の事故でぐらつきつつあるが、後者は、なにやら神通力があって、それで「原発なしで日本のエネルギーは成り立たないではないか」論がいまも根強い。でも、真正面から、そんな神話をおかしいと唱える企業経営者も現れた。
「私も原発が経済的だと信じておりました」。ソフトバンクの孫正義社長は4月下旬、民主党・復興ビジョン検討チームの会合でそう語った。映し出されたパワーポイントには、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください