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 最近の通信市場はグローバルプレーヤーの特許訴訟合戦の様相を呈している。新興企業でありながら世界第2位や5位に成長している中国メーカの華為や中興は常にその中心にいる。

 今年に入ってからも、1月に華為がアメリカでモトローラを起訴し、これを皮切りにエリクソンと中興の相互起訴など訴訟合戦が相次いだ。ついに4月28日に華為が欧州で中興通信を、そして29日に中興通信は欧州と中国で華為を相手に訴訟を起こし、中国メーカの内紛まで発展した。その背景は?

 ここ近年、通信設備業界は激変している。その中心にあるのは快進撃を続けている華為と中興通信だ。2010年のデータでは、最大手エリクソンの308億ドルの売上に対して華為は280億ドルを上げた。また、成長率はエリクソンのマイナス2%に対して華為は24.2%の増加だから今年も逆転を射程圏内にとらえているわけだ。純利益に至っては華為の36億ドルはエリクソンの倍以上だ。中興通信は売上こそ107億ドルの第5位だが純利益になると、華為、エリクソンに次いで3番手の地位を手に入れている。

 価格競争力や素早い経営判断を武器に途上国は勿論、欧州や日本などの先進国市場においてもシェアを大幅に伸ばし、飛ぶ鳥を打ち落とす勢いだ。

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筆者

肖宇生

肖宇生(しょう・うせい) フロンティア・マネジメント株式会社事業開発部マネージング・ディレクター

【退任】フロンティア・マネジメント株式会社事業開発部マネージング・ディレクター。1996年大阪大学経済学部、2001年一橋大学大学院経済学研究科卒業(経済学修士)。精密機器メーカーで中国携帯市場向けマーケティングを担当後、国内シンクタンクで中国市場のコンサルティング、ファンド会社で中国市場のプライベート・エクイティ投資に従事。日本総合研究所創発戦略センター主任研究員を経て、2011年4月より現職。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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