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菅総理はなぜ辞めないのか

原田泰

原田泰 原田泰(早稲田大学教授)

 「菅総理はなぜ辞めないのか」とは私の考えではなく、マスコミの考えである。辞めないのが不思議だというぐらいの書かれ方をされていたが、政治を合理的な人々のゲームだと考えれば、なぜ辞めると考えるのかが不思議である。

 これから書くことは、政治分析は、様々な思惑を持った人々の片言隻句を捉えることではなく、合理的な人間のすることと考えるべきだという2011年01月25日の本欄(「合理的思考による考察の有益性を忘れていないか」)の論考の続きである。

◇政治のしていることと結果との関係はあまりにも曖昧◇

会見する菅直人首相=5月10日午後6時14分、首相官邸、山本裕之撮影
 そもそも、政治家のしていることと日本の国際的地位とか、経済状況とか、生活一般とかの関係は、因果関係があまりに曖昧だから、明確に責任を感じることが難しい。総理だけではなくて、議員一般にそうであり、取材しているマスコミもそうなるのではないだろうか。菅伸子総理夫人も、
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