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公務員給与削減のナンセンス

榊原英資

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 菅政権は復興財源捻出のために今後3年間にわたっての国家公務員給与の削減の方針を決め、連合系組合はこれに合意していると伝えられています。しかしこの提案は二重の意味でナンセンスだと筆者には思われます。

 まず日本の国家公務員数は人口千人あたり12.6人(国防・公社公団、政府系企業を含む)と イギリスやフランスの四分の一。連邦国家であるアメリカの9.9人より若干多いですが、ドイツの22.3人のほぼ半分です。それゆえ公務員の人件費も対GDP比でOECD諸国中、最低の6%とアメリカやイギリスに比べて二分の一から三分の一になっています。

 このうえ公務員の人件費を削減する必要が本当にあるのでしょうか。公務員の数だけでなく、財政の規模でも日本はGDPの37%とデーターのあるOECD諸国28カ国のうち24番目、さらに人口五千万人以上の先進国では最も小さな政府を維持しています。

 実は、

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