松浦新
2011年05月31日
楽観的な将来の見通しと、実態がわかりにくい決算の陰で取り崩しが進む年金積立金。「100年安心」と思っている人はさすがに少ないだろうが、いったい、いつまで持つのだろうか。
vol.1とvol.2を無料公開しています。ぜひお読みください。
※「年金マガジンネット探検隊が行く」vol.1 改革は一体どこへ
※「年金マガジン-ネット探検隊が行く」vol.2年金の仕組みから理解しよう
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【ネット探検隊】 年金の現状や改革の方向性をネット上のデータを探索しながら明らかにしていく。隊長、隊員は以下の3名。
隊長:香川年男 1973年生まれの37歳。バブル崩壊後、阪神大震災の年に社会に出た。
隊員:本田景子 1985年生まれの25歳。リーマン・ショック前の平成ミニバブル期の採用。
隊員:岡崎金人 1947年生まれの63歳。団塊世代の先頭集団で、定年後も嘱託で働く。
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香川 前回は、年金積立金の取り崩しは一時的なものではなく、すでに構造的な取り崩し段階に入っていることを確認しました。04年には、これを防ごうと「マクロ経済スライド」という仕組みが導入されましたが、まるで機能していません。少子化ばかりが注目されてきた年金問題ですが、マクロスライドの導入で、経済問題になっています。
本田 いまの日本経済を考えると、現役世代の給料が順調に伸びていくなんて、楽観的な環境でしか機能しない「マクロ経済スライド」には期待できませんね。今後、どうなってしまうのでしょうか。
香川 ひとつのカギは人口構成にある。まずはどうなっているのか確かめよう。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口からグラフを作ってみた。65歳以上の人口が日本人に占める割合の推移を見ると、今後、65歳以上の人口が占める割合は右肩上がりです。
岡崎 65歳以上か。オレもあと2年ぐらいで仲間入りだなあ。オレの場合は64歳から満額の厚生年金が出るけれど、1948年生まれは65歳にならないと満額にならない。団塊世代の多くは、しばらくは満額の年金がもらえないわけだ。
香川 ということは、
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