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心配される外国人の日本離れ

根本直子

根本直子 早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授/アジア開発銀行研究所、 エコノミスト

 震災から2カ月以上が過ぎ、弊社のオフィスの外国人従業員もおおむね東京に戻ってきた。

 多くの人は、一時的に故国に帰ったり、バックアップオフィスとして設置した広島で働いていた。ただ、平常に戻ったとはいえ、余震や放射能についての不安は根強いようで、特に子どものいる人の中には海外への転勤を希望する人もいる。

 外資系企業の一部では、電力不足への対応もあって、香港やシンガポールに機能を移転することも検討しているようだ。留学生についても、日本離れが顕著となっており、日本語教育振興会の4月時点の調査によれば、外国人留学生9301人のうち、約4割が震災後に帰国している。「自分は残りたいが、故国の両親が心配しているので帰る」という話はよく耳にする。

 香港に1カ月退避していた同僚は、日本に戻った時、人々がいつもと同じように生活していることに驚愕した、と言っていた。海外では、

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