安井孝之
2011年06月06日
日本のものづくりに、もう一つ苦しみが増えたという。円高、環境対策、法人税率、労働法制、自由貿易協定交渉の遅れという「五重苦」に、東日本大震災後の電力不足が加わったというのである。「もう限界、海外展開しかない」という悲鳴も聞こえてきたり、ジャスト・イン・タイムの生産システムも見直さざるを得ないという「改善策」も出たりする。だが、「狼狽するな」と言いたい。ここは日本の強みは何だったのかを今一度見つめる冷静が必要だからだ。
5月19日に経済産業省で開かれた自動車産業の震災後のあり方を検討する研究会で「六重苦」が話題になった。日本自動車工業会会長でもある日産自動車の志賀俊之最高執行責任者が指摘した。
志賀さんは同日の記者会見で「厳しい国際競争をしている。各国と平等な土俵で戦いたい」と述べ、国内勢は海外企業に比べ不利な競争を強いられていると訴えた。
トヨタ自動車の決算発表でも
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