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 世界的にソブリン格付けが下方向に見直されるケースが増えているが、共通しているのは適切な政策の遅れである。

 従来ソブリンの格付けは、民間企業に比べて、安定性が高く、デフォルト率が低いという特色があった。外貨建て格付けのデフォルトは、過去に14件生じているが、多くはシングルB 以下の新興国であり、ロシア、アルゼンチンなどを除いては市場への影響は少なかった。

 しかし2008年の金融危機以後、スペイン、アイルランドなど比較的信用力の高いソブリン格付けが低下している。ギリシャはシングルAがシングルBとなり、格下げ方向で見直し中である。

 銀行危機により、金融機関への公的資金投入が増えたこと、景気対策、税収減少によって財政収支が悪化したことが背景にある。またユーロ加盟国については、期待された支援の枠組みが不確定で、債権者に負担を求める可能性が高まっている。

 これらの国では政府も民間企業も、市場での調達コストが大幅に上昇している。

 S&Pは今年4月に米国のアウトルックを安定的からネガティブに変更したが、

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筆者

根本直子

根本直子(ねもと・なおこ) 早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授/アジア開発銀行研究所、 エコノミスト

日本銀行、S&Pグローバル、マネージング・ディレクターを経て現職。主なリサーチ分野は、金融機関経営、日本およびアジアの金融市場、包摂的成長。 早稲田大学法学部、シカゴ大学経営大学院、一橋大学商学研究科、商学(博士) 主な著書に「韓国モデルー金融再生の鍵」「残る銀行沈む銀行―金融危機後の構図」 財務省 関税・外国為替等審議会委員、中部電力、コンコルディア・フィナンシャルグループ社外取締役、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF) 経営管理委員。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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