一色清
2011年06月20日
JR東海のリニア新幹線が実施段階に入ります。まだまだ紆余曲折があるかもしれませんが、東京―名古屋の2027年開業に向けて動き出したといっていいことは間違いありません。
失われた20年を経て東日本大震災に打ちのめされている日本にとって、これほど前向きな夢のある計画はないように思います。名古屋までだけでも5兆円以上になる建設費は民間企業であるJR東海が負担しますので、駅を設ける沿線自治体以外の国民には金銭的負担はないといいます。海外にも売れるという皮算用もありますので、日本の富を増やすことにつながるかもしれません。いいことづくめでこの計画がうまくいけば素晴らしいと私も思っていますが、一方で本当に大丈夫だろうか、後の世の人から「どうしてあんなものを作ったのか」といわれることはないだろうか、という不安が消えません。
唯一最大の不安の原因は、JR東海の想定需要が大きすぎるのではないかという点です。JR東海は、
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