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 「節電のため、居間のクーラーを買い替えよう」と家族に言われた。「まあ、18年も使ってきたから、そろそろいいなあ」と応じた。実は「買い替えって、あんまりエコじゃないよ」とでも言ってみたい気分があり、長年故障もせず引っ越しにも耐えてがんばってくれたクーラーをお払い箱にしてしまうことに、韓流ドラマで見た浮気男のようなうしろめたさも感じた。だが、家族の省エネ・節電の意思は固く、とてもそんなことは言い出せず、家電量販店に直行したのであった。

 その量販店で、まずは広さに合わせた機種を…と見回すうちにメーカーから派遣された店員とおぼしき男性が寄ってきて、立て板に水の説明攻勢をかけてきた。「火力発電を増設しようにも、7年ぐらいかかるので、節電は10年近く続くそうです」というような説明だった。え、ほんまかいな、と反論しようかとおもったが、 ・・・ログインして読む
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筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

上智大学教授。群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。富山、奈良、大阪、ニューヨーク、静岡、東京で記者をしてきた。近年は日本の経済政策や世界金融危機など取材。2009年5月から東京本社論説委員室勤務、11年4月からは編集委員も務め、14年4月から現職。著書に「財政構造改革」「消費税をどうするか」(いずれも岩波新書)、「デフレ論争のABC」(岩波ブックレット)。

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