メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

新しいクーラーとの出会い

小此木潔

小此木潔 ジャーナリスト、元上智大学教授

 「節電のため、居間のクーラーを買い替えよう」と家族に言われた。「まあ、18年も使ってきたから、そろそろいいなあ」と応じた。実は「買い替えって、あんまりエコじゃないよ」とでも言ってみたい気分があり、長年故障もせず引っ越しにも耐えてがんばってくれたクーラーをお払い箱にしてしまうことに、韓流ドラマで見た浮気男のようなうしろめたさも感じた。だが、家族の省エネ・節電の意思は固く、とてもそんなことは言い出せず、家電量販店に直行したのであった。

 その量販店で、まずは広さに合わせた機種を…と見回すうちにメーカーから派遣された店員とおぼしき男性が寄ってきて、立て板に水の説明攻勢をかけてきた。「火力発電を増設しようにも、7年ぐらいかかるので、節電は10年近く続くそうです」というような説明だった。え、ほんまかいな、と反論しようかとおもったが、

・・・ログインして読む
(残り:約904文字/本文:約1270文字)