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 「原発ゼロ社会」を提案した論説主幹の署名論文と社説は、朝日新聞の歴史的な転換を象徴するものである。

 世論調査で多くの国民が「脱原発」を望んでいることがすでに明らかである以上、この主張自体はいわば「当たり前」の認識なのではあるが、それを朝日新聞の社説として大展開したことは英断といってよい。私自身がこの春まで論説メンバーであったことを顧みれば、いささか内輪褒めの八百長と映らないでもないかもしれないが、そうした誤解を恐れず、掛け値なしに称賛の拍手を贈りたい。

 こうした評価は、朝日新聞が読売新聞ほどあからさまではなくとも、原発推進の立場にあったことを知っている人でなければ実感がわかないかもしれない。そう。世間には朝日が「反原発派」だったと勘違いしているひとがあまりにも多すぎるのである。「朝日は反原発だから」と、取材先で何度言われたことか。そのたびに「違いますよ」と説明してきたのであるが、いささか疲れた。だが、もう、つまらぬ誤解はされないだろう。いまや「そう、おっしゃるとおり、朝日は原発廃止論なのです」といえるのだから。

 これまでの朝日の原発に関する基本姿勢は、

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筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

ジャーナリスト、上智大学教授。群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。富山、奈良、大阪、ニューヨーク、静岡、東京で取材。論説委員、編集委員を経て2014年から現職。著書に『財政構造改革』『消費税をどうするか』(いずれも岩波新書)、『デフレ論争のABC』(岩波ブックレット)。監訳書に『危機と決断―バーナンキ回顧録』(角川書店)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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