メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

日本はデフォルトしないが負担増は必至

小此木潔

小此木潔 ジャーナリスト、元上智大学教授

 米国のように債務の上限が決めてあるわけではないから、日本はデフォルトしないだろう。

 ねじれ議会のせいで国債発行ができなくなるリスクは存在するが、それで国民を危機にたたき込めばそうした政治が批判を浴びる。米国の「茶会」グループと共和党タカ派のような激烈な運動が日本に飛び火して米国よりも激しく燃え上がり、デフォルトに突き進む、とは考えにくい。

 民主党政権を倒したい自民党も条件付きで特例公債法案の成立に協力せざるをえない現実をみても、日本のデフォルトはない、とみておくべきだろう。

 もっとも、「たら」「れば」を重ねて、そうなる危険があるといえばあるのであって、そうしたわずかな危険性を無視していいというつもりはない。だが、その「たら」「れば」を掘り下げるよりも、日本国債がなぜ買われ続けているのか、を考える中から、その帰結や対策についてここでは考えてみたい。

 GDP比でいえば世界一の借金大国といえる日本の国債が人気を呼んでいる理由はいくつもある。

 短期的な要因としてはもちろん、ドルとユーロの動揺からくる円建て資産保有へのニーズだ。また、世界景気の先行き不安から、株式よりも国債や金など安全な資産へとマネーをシフトさせようとする「質への逃避」も大きな要因だ。だが、日本国債が信頼されている要因としてもっと重要なのは、

・・・ログインして読む
(残り:約953文字/本文:約1512文字)