原田泰
2011年08月19日
◇円レートは通貨と通貨の交換比率◇
どんなものでも供給を増やせば価格が下がり、減らせば上がる。通貨も同じである。歴史的でも構造的でもなんでもない。これはハリー・ジョンソン、ジェフリー・フランケルなどの経済学者が1970年代に、厳密に示したことである。現日本銀行総裁の白川方明氏も、このことを、30年以上も前になるが、両氏の論文を引用しながら認めている(白川方明「マネタリー・アプローチについて」『金融研究資料』第3号、1979年8月)。
図1は、中央銀行が直接コントロールできる通貨、マネタリーベースのアメリカの値に対する日本の値を指数化したもの(1988年1月=100)と円/ドル・レートを示したものである。基本的アイデアはジョンソン教授とフランケル教授にあるが、近年、伝説の投機家ジョージ・ソロス氏が使っているとされたことによって、この図はソロス・チャートと呼ばれる。
図に見るように、ドルに対して円の供給が増えれば円安になり(円/ドル・レートなので値が大きくなるのが円安である)、減れば円高になる。もちろん、
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