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 発足当初は「脱小沢」「クリーン」「第3の道」などで人気があった菅直人政権も、惨めすぎるほどの支持率低下に悩まされ続けた。市民運動出身で、みずからのリーダーシップの源泉は国民の支持だと公言していたにもかかわらず、その国民の支持が薄くなるばかりという厳しい現実のもとでは、指導力発揮など望むべくもなかったし、実際にできなかった。私はもともと「第3の道」や、「強い経済、強い社会保障、強い財政」「1に雇用、2に雇用、3に雇用」を掲げた菅氏に期待を寄せていただけに、残念至極である。

 こうなった最大の転機はといえば、やはり2010年夏の参院選の大敗北で「ねじれ国会」が誕生したことに尽きるが、その最大の原因は菅氏の安易な「消費税10%」発言だったと思う。自民党が「当面、消費税は10%」という参院選公約を掲げたことに飛びつき、いわゆる「抱きつき」戦略で消費税の争点化を防ごうとしたことが全くの裏目に出て、支持率の急低下と参院選での惨敗につながった。じつは私は取材で菅氏が経済にうといことを知っていたのでこうなることを危惧していたのだが、不安は的中してしまった。

●一般市民の心がわからなくなっていた

 私の取材したところでは、菅氏は副総理・財務相としてギリシャの財政危機や日本の財政についてにわか勉強をした結果、

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筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

上智大学教授。群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。富山、奈良、大阪、ニューヨーク、静岡、東京で記者をしてきた。近年は日本の経済政策や世界金融危機など取材。2009年5月から東京本社論説委員室勤務、11年4月からは編集委員も務め、14年4月から現職。著書に「財政構造改革」「消費税をどうするか」(いずれも岩波新書)、「デフレ論争のABC」(岩波ブックレット)。

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