山下一仁
2011年08月30日
前回の代表選後、ともに戦った小沢氏と融和して、挙党態勢を築くという趣旨の発言をしていたのだが、実際には「小沢外し」の路線を強めた。小沢氏に対する評価は別として、国民は、以前はトロイカ体制として一緒に釣りまでしていたのに、なぜ言をひるがえすのか、またなぜ、そこまで執拗に小沢氏を憎むのか、菅氏の言葉と心のギャップ、偏執性に、嫌悪感を抱いたのではないだろうか。
また、菅政権の民主党は、反小沢、親小沢に分かれ、完全に分裂状態にあったと国民は評価していたのではないだろうか。自民党政権の時にも、主流派、非主流派に分かれた抗争はあった。しかし、大きな政策の方向について、際立った対立があったわけではなかった。
菅政権では、マニフェストについて、野党の協力を得るために見直しが必要だとする主流派と国民との約束なので見直すべきではないとする非主流派が対立した。党を代表して野党と折衝に当たる幹事長が、約束したことが守られないのは政党としての体をなしていないのではないか、と野党側から批判された。主流派にとっては、与党内の非主流派よりも、野党の自民党の方が政策的に近いと感じていたのではないだろうか。国民はそう感じたはずだ。
重大なことは、菅氏の資質である。
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