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老舗の製造業、復活の期待と現実

木代泰之

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

 「日立製作所と三菱重工が経営統合する」という日経新聞の記事(8月4日)は結局、誤報に終わるようだ。しかし、ある壮大な期待を世間に抱かせたことは間違いない。売上高を足せば米GEやドイツのシーメンスを上回る巨大企業になるというだけではない。これら老舗のインフラ企業が果たす役割が昨今見直され、この国にとって重要なポジションを占めるようになっているからだ。

拡大三菱重工業が豪州で建設する石炭火力発電所。二酸化炭素の回収設備も備える
 まず事業分野が広く、成長するアジア新興国への社会インフラ輸出の有力な担い手であることだ。これは日本の「成長戦略」の大きい柱である。次に「重厚長大」型事業が多く、売上は海外より国内市場が中心で(両社とも50%以上)、その分、国内の雇用確保に貢献していることだ。エレクトロニクスや自動車メーカーが生産・販売拠点を次々と海外に移しているのとは一味違う。

 世界がインターネットやIT企業の発展に目を奪われている間は地味な存在だったが、周りが変化して、いつの間にか「底光りする注目企業」になっていた。統合が事実なら、まさにツボにはまったニュースだったのだ。

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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

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