原田泰(はらだ・ゆたか) 原田泰(早稲田大学教授)
早稲田大学教授。1974年東京大学卒業後、同年経済企画庁入庁、経済企画庁国民生活調査課長、同海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長などを経て、2012年4月から現職。「日本はなぜ貧しい人が多いのか」「世界経済 同時危機」(共著)「日本国の原則」(石橋湛山賞受賞)「デフレはなぜ怖いのか」「長期不況の理論と実証』(浜田宏一氏他共著)など、著書多数。政府の研究会にも多数参加。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
新しい政権に多くの国民が望むことは、東日本大震災からの復興と日本経済全体の再生だろう。東日本大震災からの復興で重要なことは、すでに本欄でも書いたように(2011年8月4日、5日「復興増税論はなぜ誤りなのか(第1回)(第2回)」参照)、そもそも内閣府推計の16.9兆円も壊れているという数字が間違いなのだから、巨額の公共事業予算を使う必要はないということだ。それよりも、個人の生活と仕事の再建にお金を使うことだ。そうすれば、巨額の予算は必要ないので、19兆円から23兆円と言われている復興予算のために10兆円も増税する必要がない。
◇壊れていないのだから増税は必要ない◇
私は、せいぜい6兆円しか壊れていないのだから、山を削って高台を造ったり、割高な自然エネルギーを使うエコタウンなどを造ったりしなければ、復興増税は必要ないと、非力ながら、一人でキャンペーンを行ってきた。キャンペーンの最中に、私の6兆円しか壊れていないという指摘に、賛同して下さる方は多かったが、反論する方はいなかった。
私の議論に、幸い賛同して下さる有力な方もいらっしゃったのだが、
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