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党税調は「利権のマシーン」になる

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

 民主党が党税制調査会の復活を決めた。これからは政府税制調査会(会長・安住財務大臣)と、党税調(会長・藤井元財務大臣)の二本立てで、税制のあり方を考えるという。この変更はささいなようだが、持つ意味はとても大きい。 

拡大民主党税制調査会役員会の冒頭、あいさつする藤井裕久会長(奥左)。奥中央は中野寛成会長代行、同右は海江田万里筆頭副会長=9月13日午前、東京・永田町

 政府税調と違って、党税調にはいろいろな業界や団体から税制改正の具体的な要望が大量に持ち込まれる。その是非を裁定する機能を果たすことで、党はそれらの組織と結びつき、支持基盤を強固にすることができる。党税調こそ政権与党の強みを生かした利権と集票のマシーンであり、長期政権を実現するための布石になる。

 自民党政権下では、有識者らで構成する政府税調が基本的な方向付けを行い、党税調は個別の具体的な税項目や税率の改正・決定を行うという形に役割分担していた。実態は党税調の決定をすべてに優先させ、翌年度の予算案にそのまま盛り込んでいた。

 これに対し民主党は「自民党のやり方は既得権益維持や政官業癒着の温床になる」と批判。鳩山政権誕生とともに自党内にあった党税調を廃止し、税制論議を政府税調に一本化した。それは、税制に限らず政策決定の過程を国民の前に透明にしたいという民主党の理念を実現したものだった。しかし、 ・・・ログインして読む
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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

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