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世界的株安、欧州金融不安とクリスマス消費

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 クリスマス商戦のニュースが世界各地から届き始めた。ロイターによると、米調査会社アメリカズ・リサーチ・グループが実施した調査によると、消費者の約27%が、今年の年末商戦について、昨年よりも支出を減らすと答えたのに対して、支出を増やすとの回答は約18%にとどまった。

 資産運用に積極的な米国や香港などでは、株価が消費動向にも大きく影響を与える。7月中旬以降、財政赤字の過小申告に端を発したギリシャ財政危機をめぐる不安や不信が複雑に高まり、欧州の債券は価格を下げ(利回りの上昇)、株価も「世界同時株安」のような調整局面に入っている。民間消費、つまり個人の財布のひもは、先進国や南米のような消費性向の高い国では、経済の主要な部分を占める。

 財政危機の中、大規模な経済対策の継続にしても、社会保障費など長期的な歳出カットにしても議会の賛同が必要になるが、合意形成が容易ではないのは欧州に限らない世界共通の悩みになっている。それだけに、経済回復の牽引役として消費に注目が集まるところだが、欧米の失業率が9%を超える高水準では、消費にも過度な期待は避けたいところだろう。

図表1は、2010年末と2011年6月末、さらに2011年6月末と9月14日のそれぞれ終値で変化率を示している。6月末は、米量的緩和第2弾(QE2)が終了した時期である。米国、インドネシア、韓国、フランス、ドイツは前者の期間で上昇していたが、後者の期間、つまりギリシャ危機や米国の債務上限引き上げ問題などが浮上した後、世界の株価は大きく低迷している。下落が目立つのは欧州で、ギリシャが33・0%、ドイツが27・6%、フランスが25.9%それぞれ株価指数を下げている。 

拡大図表1

 昨年末の時点に立ち返ると、

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筆者

小原篤次

小原篤次(おはら・あつじ) 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

長崎県立大学国際情報学部准教授。1961年、大阪府堺市生まれ。同志社大学法学部卒、国立フィリピン大学修士。朝日新聞社、チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)、みずほセキュリティーズアジア初代株式調査部長、みずほ証券リサーチ&コンサルティング投資調査部副部長を経て現職。【2015年12月WEBRONZA退任】

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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