メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

米価は落ち着いていく

山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

あきたこまちの収穫風景=2011年9月8日、秋田県湯沢市川連町

 今年7月、平成22年産米の卸売業者間の取引価格が、東日本大震災前から7月にかけて3割から5割も上昇した。また、9月には、JA全農は卸売業者に販売する平成23年産米の価格を前年同期に比べ9~16%引き上げている。米価は高騰するのだろうか? 

 米価も他の財の価格と同様、需要と供給で決定される。需要が増えたり、供給が減少すれば、価格は上がる。逆に、需要が減少したり、供給が増えれば、価格は下がる。短期的な上げ下げはともかく、基調としては、どうなのだろうか。

 次のグラフはここ10年程の米価の推移である。平成15年産米価が突出して高くなっているのは、平年作に比べ10%の減産(作況指数90)となったからである、しかし、基調としては、10年間で35%もの下落である。 

■米価の推移

 なぜ、米価は低下傾向にあるのだろうか?また、今後もこの傾向は続くのだろうか?

 需要は確実に

・・・ログインして読む
(残り:約681文字/本文:約1058文字)