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モナコで見た豪奢と地中海の明暗

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

 フランスを旅行する途中、モナコ公国に立ち寄った。ちょうど「国際ヨットショー2011」のさなかだった。港には最新鋭の巨大ヨットや、顧客たちが乗ってきた大小のヨットがひしめき、空港には数えきれないほどの自家用機が集結。夜になると高級車が並ぶカジノが富豪たちの社交場になっていた。 

モナコのエルキュール港を埋め尽くした豪華ヨット

 いま欧州は「コンフィデンシャル・クライシス(信用危機)」で揺れ動いている。ギリシャのデフォルトに身構え、イタリアやスペイン、フランスまでが波及懸念に気をもんでいるとき、モナコでは世界の桁はずれの富裕層向けのイベントが営まれていた。

 地中海に面したモナコは人口3万5000人の小国だが、ユーロ経済圏の拡大ともに不動産投資が集中し、マンションの家賃はこの10年で3-10倍に高騰した。それでも人気は衰えず、欧州の不景気をよそに、家賃は今も上がり続けている。

 この街に住むメリットは、

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