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作況は「平年並み」なのになぜ米価は高い?

青山浩子 農業ジャーナリスト

 全国各地の新米がほぼ出そろったが、小売価格は例年に比べて高い。東日本大震災以来、品薄感や先高感から産地価格、卸価格とも上昇し、小売価格に反映したためだ。

 しかし9月末に発表された2011年度産の米の作況指数は101と「平年並み」。約11万トンが過剰生産という数字も明らかになった。

 米の不足感は解消されたにもかかわらず、米卸業者は「来年3月まで値上げは続く」と見ている。不足していないのに高止まりする理由はどこにあるのか?

震災前後、卸業者は米を持っていなかった!

 米価が上がった背景にはさまざまな要因がからみ合っている。まず震災前後に卸業者が多くの米を在庫していなかったこと。これが最初の発端だ。

 ちょうど1年前に出まわり始めた2010年産の新米は今年とは反対に安値がついた。09年産の在庫が大量に残っていたためだ。全国で生産される米の40%を扱うJA全農は、さらなる在庫積み上げを懸念し、早く売り切ろうと卸業者に提示する相対取引価格を軒並み下げた。東北地方の米どころでさえ60kgあたり1万円を割るほどだった。

 しかし米の消費は容易に上向かなかった。以前ならば、米価低迷に歯止めをかけるため、政府が一定量の米を買い上げ、市場から隔離する方法をとることもできた。だが民主党政権になって以来、「需給調整のための市場隔離は一切しない」という方針を政府は貫いている。

 困ったJAグループは苦肉の策として、 ・・・ログインして読む
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筆者

青山浩子

青山浩子(あおやま・ひろこ) 農業ジャーナリスト

1963年愛知県生まれ。86年京都外国語大学英米語学科卒業。JTB勤務を経て、90年から1年間、韓国延世大学に留学。帰国後、韓国系商社であるハンファジャパン、船井総合研究所に勤務。99年より農業関係のジャーナリストとして活動中。1年の半分を農村での取材にあて、奮闘する農家の姿を紹介している。農業関連の月刊誌、新聞などに連載。著書に「強い農業をつくる」「『農』が変える食ビジネス」(日本経済新聞出版社)「農産物のダイレクト販売」(共著、ベネット)などがある。茨城大学農学部非常勤講師もつとめる。

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