2011年10月28日
20日、政府の「食と農林漁業の再生実現会議」が農業再生基本方針案をまとめた。農地の出し手に協力金を出して、水田農業の規模を今の10倍の20~30ヘクタールに拡大するのだという。野田首相は、会議の冒頭で「(TPPなどの)経済連携と農業再生は両立できるか、できないかではなく、(両立)しなければならない」と強調した。
しかし、これはTPP参加の後押しになるものではない。筒井農林水産副大臣は、「基本方針案はTPP参加を見据えたものではなく、別個のものであると(同再生実現会議で)確認された」と会議終了後の記者会見で強調した。これは、鹿野農林水産大臣など農林水産省がこれまで強調してきたことだ。
しかも、単に農林水産省の思い入れだけではない。この基本方針案自体がTPPなどの貿易自由化と相いれないからだ。関税は独占(カルテル)の母という経済学の言葉がある。今の米価1万3千円は減反という供給制限カルテルで高く維持されている。関税がなくなり、外国から1万円で米が輸入されるようになれば、この米価は維持できなくなる。
つまり、TPPに参加するということは、
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