【退任】週刊紙「アエラ」前編集長。1956年生まれ。78年朝日新聞社に入り、経済部記者、「アエラ」編集部員などを経て、2000年「アエラ」編集長。beエディター、出版本部長補佐などを経て、08年10月から「報道ステーション」コメンテーターを務めた。「アエラ」副編集長時代には、中吊り広告下の一行コピーを担当。2012年1月まで「WEBRONZA」編集長。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
先日、ある会合で会った女性起業家の話に驚いた。彼女は、航空会社のキャビンアテンダントをやめて、マナーや美容に関するコンサルタント業を始め、今は中国のエステ業界に日本式のサービスを教える仕事に力を入れている。なぜ中国なのかという質問に、彼女は「日本では考えられない年会費のエステが成り立っている世界なんです。日本円に直して年会費1500万円なんて信じられます?」と言う。
GDPで日本を抜いたとはいえ、10倍以上の人口から計算すると、まだ1人あたりGDPは日本の10分の1以下に過ぎない中国だのに、とびきりの富裕層が目立つ社会になっている。2011年中国富豪ランキングによると、上位400人の富豪の総資産は全国民の貯蓄の10%にあたるという。アメリカでは、1%の金持ちが全国民の40%の富を占めていると言っているが、中国はそれどころではない。
貧富の差の拡大は世界中で起こっている。先進国では経済のパイ自体が伸びなくなっている中、競争原理だけが強まるために中間層が細っており、新興国はバブルっぽい中で、富の分配より拡大を優先する政策のためにとんでもない成り金が出現している。
貧富の差に対する人間の感情は、
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