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加わった自然災害リスク、八方ふさがりのものづくり

安井孝之

 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は24日の記者会見でタイの洪水の影響を聞かれ、「自然災害は起きたら準備した対応策を実行し、対応できるが、円高は私たちにはどうにもできない」と嘆いてみせた。

 確かに1ドル=75円台に突入した円高は一企業の力では為す術はなく、輸出産業は深刻な影響を受ける。だが、東日本大震災で途絶したサプライチェーンがようやく復旧したと思ったら、タイの洪水である。粛々とBCP(事業継続計画)を実行する以外にないにしろ、日本のグローバル企業は自然災害という新たなリスクを抱え込んだ。

 取引先企業の海外進出を支援する部署のメガバンク幹部は、タイの大洪水の被害状況に忸怩たる様子だった。

 「初めての海外進出ならタイがいいです」

 こうアドバイスをすることが多かったからだ。他の東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国に比べインフラは整備され、親日性も高い。苦労は少ない。だが、今回の大洪水で「これからは洪水のリスクがあります」と言わざるを得なくなった。

 タイへの日本企業の進出は90年代に急増し、

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筆者

安井孝之

安井孝之(やすい・たかゆき) 

1957年4月16日、兵庫県丹波市生まれ。経済誌「日経ビジネス」記者を経て、1988年に朝日新聞入社。自動車、流通、不動産、鉄道などの業界や財政、産業政策、通商政策などの政策を取材。2005年から編集委員、09年から論説委員兼務。著書に「これからの優良企業」(PHPビジネス新書)。

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