2011年10月27日
日産自動車のカルロス・ゴーン社長は24日の記者会見でタイの洪水の影響を聞かれ、「自然災害は起きたら準備した対応策を実行し、対応できるが、円高は私たちにはどうにもできない」と嘆いてみせた。
確かに1ドル=75円台に突入した円高は一企業の力では為す術はなく、輸出産業は深刻な影響を受ける。だが、東日本大震災で途絶したサプライチェーンがようやく復旧したと思ったら、タイの洪水である。粛々とBCP(事業継続計画)を実行する以外にないにしろ、日本のグローバル企業は自然災害という新たなリスクを抱え込んだ。
取引先企業の海外進出を支援する部署のメガバンク幹部は、タイの大洪水の被害状況に忸怩たる様子だった。
「初めての海外進出ならタイがいいです」
こうアドバイスをすることが多かったからだ。他の東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国に比べインフラは整備され、親日性も高い。苦労は少ない。だが、今回の大洪水で「これからは洪水のリスクがあります」と言わざるを得なくなった。
タイへの日本企業の進出は90年代に急増し、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください