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ソーシャルビジネスとしての球団マネジメント

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 横浜ベイスターズのオーナーの交代は十分、時間をかけて行われた。この点ではTBSは企業としての社会的責任を果たしたように思う。昨年10月のWEBRONZA「横浜ベイスターズを強くする方法」で提案したような、横浜市民による球団経営が実現しなかったことは、元野球少年としてはとっても残念である。

 経済記者時代、シーズンオフが近づくと、オーナー企業交代の観測が飛び込み、スポーツ記者ととともに、球団経営の行方を追いかけた経験が何度かある。そんな筆者の次の期待は、規制産業である放送局から規制が少ないネット企業、しかも携帯電話という最新メディアの世界で成長してきた企業が参入することで、伝統ある日本のプロ野球経営を変えていくのかである。新しい領域でもまれる企業群がいい意味でプロ野球を面白くしてもらいたい。携帯電話はスマートフォン(多機能電話)の登場で、テレビやパソコン、そしてTVゲーム機の役割を確実に食い始めている。

 7年前の球界のオーナー交代と比べると、ディー・エヌ・エーが横浜ベイスターズになることには、既存のプロ野球オーナーや社会にも抵抗感が少ないようである。ソフトバンクや楽天が新しい企業群としてすでに先鞭をつけていることや、インターネットやスマートフォンの急速な普及が抵抗感を大幅に減らしたのだろう。4年連続最下位の球団を強くするには、

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