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 いったんTPP交渉に参加した場合、それからの離脱が可能かどうかを巡って、議論が戦わされている。制度から考えてみよう。

 交渉参加国は、(1)交渉の結果できあがった協定になお不満であれば、署名しなければ良い、(2)政府が署名しても、議会は批准・承認しないことができる。さらに、(3)協定に参加した後、不都合が生じた場合、協定の修正を要求することができるし、修正交渉が実らない場合、最終的に通知をするだけで脱退することができる。

 実際に、TPP交渉の基になっているニュージーランドやチリなどが参加している協定では、第20.4(発効)、20.7(修正)、20.8(脱退)に規定されている。TPPに限らず、一般的に条約や協定では、このような規定が通常置かれている。これは主権国家から構成される国際社会では、主権国家の意思を拘束するような世界政府は存在しないので、当然のことである。

 過去の国際交渉で、交渉から離脱した例はないのだろうか?京都議定書では、 ・・・ログインして読む
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筆者

山下一仁

山下一仁(やました・かずひと) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

1955年岡山県笠岡市生まれ。77年東京大学法学部卒業、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、農村振興局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員。10年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。「フードセキュリティ」「農協の大罪」「農業ビッグバンの経済学」「企業の知恵が農業革新に挑む」「亡国農政の終焉」など著書多数。

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