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親会社と監督とは同床異夢の果て

一色清

 落合監督の辞め方を見て思い出すのは、西武ライオンズ監督だった森祇晶さんのことだ。

 私は1995年1月、週刊紙アエラにいて同僚記者と2人で森さんに長時間のインタビューをした。森さんは前年の秋に西武の監督を辞めていた。巨人との日本シリーズ第6戦の球場の電光掲示板に「監督辞任」の読売新聞ニュースが流れ、日本シリーズで敗退したあと辞任した。9年間でリーグ優勝8回、日本一6回、落合監督よりももっとすごい成績を収めていながら、堤義明オーナーから「勝っても人気が出ない」との理由で斬られたと言われた。

 インタビューで森さんに「球団側は面白い野球を求めていたようですが」と質問すると、森さんは憤然として「はっきり言って責任転嫁だよ。観客動員が落ち込んできて、西武の野球は面白くないという論調をマスコミを通じて作った。じゃあ、営業というものが、何をしていたのか。西武は勝って当然、しかも野球は面白くない、だからお客は来ないんだという言い方をする。客集めを仕事としている人たちが現場にすべて責任転嫁したんだな。言い逃れだよ、はっきり言ったら。(中略)面白い野球ってどういう野球か納得できる説明をしてほしい」(アエラ1995年1月30日号)と言った。

 今回落合監督は、球団側との求めるものの違いについて口を開いていないが、私は森さんが当時言っていたことと同じようなことを考えていると思う。つまり、 ・・・ログインして読む
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筆者

一色清

一色清(いっしき・きよし) 

【退任】週刊紙「アエラ」前編集長。1956年生まれ。78年朝日新聞社に入り、経済部記者、「アエラ」編集部員などを経て、2000年「アエラ」編集長。beエディター、出版本部長補佐などを経て、08年10月から「報道ステーション」コメンテーターを務めた。「アエラ」副編集長時代には、中吊り広告下の一行コピーを担当。2012年1月まで「WEBRONZA」編集長。

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