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 TPPに関する議論が盛り上がっている。しかし賛成派も慎重派もあいかわらず自由貿易対農業保護という視点から論じている人たちが多いようだ。

 筆者は自由化は貿易についても金融についても常に推進する立場だったし、今でもそのポジションに変化はない。ただ、TPPについては慎重論をとっている。というのは、TPPは単なる貿易自由化・関税引き下げのためだけの交渉ではなく、農業・医療・金融などの幅広い分野を含んだ交渉だからだ。

 政府は例えば、日本の健康保険制度は議題に入っていないと主張しているが、交渉が始まった後に議題を追加することはできるし、またしばしば行われることでもある。TPP交渉に日本が入った場合、交渉がどのような経緯をたどるか今から予測することは不可能だが、アメリカという国の性格、過去の経験などから、アメリカが日本の「制度」の「アメリカ化」を要求することは十分考えられる。

 日本はすでに「開国」しており、ほとんどの制度はグローバルなものになっているが、日本独自のシステムを維持しているところも多少残っている。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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