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「分断」を乗り越えるために「福島の声」を聞こう

一色清

 2011年11月11日、11が3つ重なり3.11との連想がすぐわく日、福島市を中心に3日間の日程で「ふくしま会議」が開かれた。福島の声を共有して世界に届けようという狙いで、政府の復興構想会議のメンバーでもあった福島県立博物館館長の赤坂憲雄さんや福聚寺住職の玄侑宗久さんらが代表になって、企画されたものだ。

拡大開会にあたって講演する玄侑宗久さん=2011年11月11日、福島市の福島大学

 私が参加した初日の全体会議は、福島県内の人と東京など県外からの人とあわせて300人近い人が福島大学の大教室に集まった。ユーストリームで生中継される中、熱い熱い議論が4時間近くにわたって繰り広げられた。私が感じた議論のキーワードは「分断」。ずっしりと重い気持ちにならざるを得なかった。

 会議の冒頭から「分断」という言葉が飛び出した。主催者が会議の趣旨を説明するにあたって、「原発事故について忘れよう、忘れさせようという勢力と忘れてはいけないという勢力のせめぎ合いが始まっている。福島でも同じようなせめぎ合いが始まっている。この会議を溝、亀裂、分断を乗り越えるスタートにしたい」と語った。

 参加者の意見交換の中で最初に分断状況が出てきたのは、

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筆者

一色清

一色清(いっしき・きよし) 

【退任】週刊紙「アエラ」前編集長。1956年生まれ。78年朝日新聞社に入り、経済部記者、「アエラ」編集部員などを経て、2000年「アエラ」編集長。beエディター、出版本部長補佐などを経て、08年10月から「報道ステーション」コメンテーターを務めた。「アエラ」副編集長時代には、中吊り広告下の一行コピーを担当。2012年1月まで「WEBRONZA」編集長。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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