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 来日した投資家のウオーレン・バフェット氏は、欧州の銀行に出資する予定はない、と言っているそうだが、確かに欧州の債務危機は長引きそうな状況だ。そうなると、相対的に安定した日本の銀行に、投資家は興味を持つのではないかと思われるが、残念ながら大手邦銀の株価は低迷している。

拡大9月中間決算を発表する三菱UFJFGの永易克典社長=2011年11月14日午後5時54分、東京都中央区日本橋本石町

 先週発表された中間決算は、銀行の計画を上回ったとはいえ、国内の貸出や手数料の低迷、国債トレーディング益への依存など、邦銀の抱える課題を浮き彫りにしたものだった。

 大手5グループの2011年9月中間期連結決算は、純利益が前年同期比18%増加した。株式関連の損失が拡大した一方で、貸倒引当金の戻し入れ益や、金利低下の下での、高水準の債券売買益が利益を押し上げる要因となった。アジアを中心とする海外での貸し出しは増加したが、期待した復興需要は弱く、国内での貸し出しは減少し、利ざやは縮小した。

 今後の業績を展望すると、一過性の利益が剥落し、より厳しい状況といえる。

 大手行のGIIPS諸国への与信額は、最大のMUFGで170億ドル程度、国債や金融機関向けのエクスポージャーは少ない。その意味で欧州危機の直接の影響は少ないが、以下の経路でのインパクトは起こりうる。

 第一に、安定資金の投資先として、

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筆者

根本直子

根本直子(ねもと・なおこ) 早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授/アジア開発銀行研究所、 エコノミスト

日本銀行、S&Pグローバル、マネージング・ディレクターを経て現職。主なリサーチ分野は、金融機関経営、日本およびアジアの金融市場、包摂的成長。 早稲田大学法学部、シカゴ大学経営大学院、一橋大学商学研究科、商学(博士) 主な著書に「韓国モデルー金融再生の鍵」「残る銀行沈む銀行―金融危機後の構図」 財務省 関税・外国為替等審議会委員、中部電力、コンコルディア・フィナンシャルグループ社外取締役、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF) 経営管理委員。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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