榊原英資
2011年12月06日
一川保夫防衛大臣の発言が問題になり、その去就が注目されている。本人のキャリアから見てもともと防衛大臣は無理だったのだろう。一川保夫は石川県の出身。石川県議を経て、国会議員になっている。1965年から25年間農水省に勤め、農業土木が専門。防衛は全くの素人で本人もそれを認めている。認証式直前の記者会見で「安全保障に関しては素人だが、これが本当のシビリアン・コントロールだ。」と発言して物議をかもしている。
実は、素人は防衛大臣だけではない。財務大臣の安住淳も同様。NHKの政治部記者を経て衆議院議員になっているが、専門は安全保障。菅改造内閣では防衛副大臣に就任している。過去、経済関係のポストとは無縁。安住自身も防衛大臣就任を予期していたという。
外務大臣の玄葉光一郎は福島県議会議員を経て国会議員になり、地方財政を専門とする。2000年の民主党の「次の内閣」ではネクスト総務大臣になっている。また2008年に発足した超党派の地方分権改革分科会では共同議長を務めている。
2010年の菅内閣では内閣特命大臣として公務員制度改革などを担当している。外交経験はまったくなし。47歳での就任は歴代のうち、もっとも若い。いったい何を理由に野田総理が彼を外相に任命したのか筆者には全く理解できない。総務大臣ならそのキャリアから自然なのだが……。
防衛・財務・外務の主要閣僚がすべて素人。ヨーロッパ危機は出口が見えないし、
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