2011年12月20日
橋下徹大阪市長は、東京のインテリには評判が悪いようだが、そのような人々は大阪の危機を理解していないのではないだろうか。
図1から図3は、日本と韓国と台湾の主要都市を人口の順に並べたものである。もちろん、実は、何を都市人口とするかは難しい。ここではWikipedia「世界の都市圏人口の順位」の「世界の主要都市圏の人口比較表 各国の定義」の数字を採った。Wikipediaは他にも様々な都市人口の推計値を示しているが、どの定義によっても以下の結果はあまり変わらない。
■韓国と台湾の第2の都市の人口は3分の1以下
図から分かることは、日本は第1の都市圏(東京横浜圏)に次ぐ、第2の都市圏(大阪神戸圏)の人口が、第1の都市圏に比べて大きいということである。大阪神戸圏の人口は東京横浜圏の人口の53%ある。第3位の名古屋圏で25%、第4位の福岡圏で16%ある。
ところが、韓国では、第1位のソウル圏に比べて、第2位の釜山圏の人口は15%しかない。台湾では、第1位の台北・桃園圏に比べて、第2位の高雄圏の人口は32%に留まる。韓国は、大阪と名古屋がなくて一挙に福岡の人口まで低下し、台湾は大阪がなくて名古屋の人口に低下してしまう。2位の都市は1位の都市の人口の3分の1以下なのである。
名古屋が人口を維持しているのは、自動車産業があるからである。大阪・神戸には、これまで金融や商業の集積、電気産業の集積、伝統の強みがあった。金融の集積は東京にすでに奪われた。電気産業の集積は、今回の円高により消滅してしまうかもしれない。伝統は観光業の強みだが、それだけでは東京横浜圏の半分の人口を支えていくことはできないだろう。
都市経済学者は、大阪の衰退は、
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