2011年12月30日
企業に65歳定年を義務づける法改正が検討されている。連合べったりの民主党はもちろん、雇用問題に関心の薄い自民党も特に反対していない様子なので、恐らくこのまま成立するだろう。
2013年以降に年金の報酬比例部分の支給開始が段階的に65歳へ引き上げられることが既に確定しており、60歳定年だと無職無年金の空白期間が発生してしまう。それをカバーするための救済策というわけだ。
ただし、辞めるはずの人を法で辞めさせないわけだから、どこかに必ず歪みが出る。まず、引き続き在籍する高齢者の人件費をどこかで捻出する必要がある。日本企業は賃下げクビ切りといった不利益変更が原則認められていないため、入口の新規採用を減らすしかない。
さらに付け加えると、その入り口の新卒採用にしても「先の読めない不安定なこの時代に、この人は65歳まで雇うに値する人であるか」という点をものすごくシビアに採用担当者は考えることになるから、敷居は上がることになる。
普通の企業なら、正社員は少数厳選した上で、残りは派遣や契約社員と行った非正規雇用でお茶を濁すことになる(もっとも、国は「有期雇用の規制」法案も成立させるそうだから、最終的には海外に雇用は流出するだろう)。
年金財政のツケを企業に丸投げしようとしたものの、
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