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 消費税増税は野田内閣の基本的政策の柱になってきている。財務大臣も経験した野田佳彦総理は財務省と一体となって増税路線を走り始めたのだ。

 国債発行残高が累積し900兆円を超え、一千兆円も視野に入ってきた状況で、中長期的には増税が避けられないことは誰の目にも明らかだ。また、増税が所得税や法人税ではなく、消費税中心のものとならざるを得ないこともはっきりしている。国際的にも高レベルにある法人税はむしろ減税されるべきだし、所得税増税も問題が少なくない。

 日本の場合、国債発行残高は巨大だが家計の累積金融資産が大きいので、まだしばらくは国債の大量発行が可能なのだが、メディアなどに国債大暴落などという記事が散見されるようになってきたので、そろそろ増税議論を始める時期であることは間違いないのだろう。

 問題は消費税増税のタイミングだ。2012年は復興需要で回復局面に入ってきた日本経済が再び景気後退に入る可能性が低くない。ヨーロッパの危機が収まる気配がなく、アメリカ経済にも二番底懸念が出始め、世界同時不況が進行してきているからだ。

 リーマン・ショック後、世界経済を引っ張ってきた中国・インドなどの新興市場国も調整局面に入ってきている。過去10年間、実質GDPで平均10%を超える成長率を達成してきた中国経済も、9%から8%へ減速してきている。インド経済も資金がネットで流失し、成長率が急速に低下してきている。

 もし日本経済が景気後退局面に入るとなると、この段階での増税は経済の足を大きく引っ張ることになる。中長期的には必要な増税でも、

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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